ウディアの寺院への避難、魔法の契約による不安定な力との対峙、そして川の精霊の腕となり、拳となる取引──そのすべてが起きる前のリー・シンは誰の側にもついていなかった。彼はただ、全てを失った人々を助けたい一心だった──彼自身がすべてを失う前までは。失うものがなくなったことで、彼は戦う理由を得たのだった。